HOME > すべての記事 > 経皮投与製剤・腸溶製剤の特徴と利点 > 皮膚の構造と薬物の皮膚透過経路〜経皮投与製剤の特徴と利点1

皮膚の構造と薬物の皮膚透過経路〜経皮投与製剤の特徴と利点1

2310view

皮膚の構造と薬物の皮膚透過経路

皮膚は、大別して表面側から表皮、真皮および皮下組織(皮下脂肪)からなる

また、表皮の最も外側は角質層といわれる厚さ10〜15μmの角質化した細胞層に覆われ、この角質層が水の蒸散や外部からの物質の侵入に対する第一のバリアーとなっている。
したがって、薬物の経皮吸収を考えるうえで角質層は薬物透過を大きく制限する最大の透過障壁となっている。

角質層は扁平な細胞は10〜20層ブロック上に並んで形成されている。
また角質層は他の細胞に比べて細胞間隙が非常に広いのが特徴であり、この細胞間隙は脂質、特に中性脂質であるトリグリセリドによって満たされている。

また、皮膚表面には毛嚢、皮脂腺および汗腺などの付属器官が存在する。

また、表皮中の角質層の下には外側から順に、透明層、顆粒層、有棘層、基底層の形態的に異なる4層からなるが、これらはもともと別個の細胞ではなく、表皮の一番内側の基底細胞から分化、成熟して移行したもので、成人では約2週間のターンオーバーで細胞が入れ替わるといわれている。

薬物の皮膚透過経路は、薬物が表皮の角質層を直接透過する経路と、薬物が毛嚢、皮脂腺および汗腺などの付属器官を経由して透過する2つの経路が考えられている。

一般に、表皮の実質部分を通る経路の有効表面積が、付属器官の占める面積よりも1,000倍以上も大きいので、薬物の皮膚適用後の透過においては、表皮の角質層を透過する経路の寄与が圧倒的に大きいと考えられている。

また、薬物の皮膚透過は、一般的に受動拡散によって起こり、適用した製剤中と皮膚深部の薬物濃度との差(濃度勾配)が移動の駆動力となる。
したがって、脂溶性が高く、分子量が400程度以下の薬物の経皮吸収性は比較的良好であるが、全身作用発現を期待する水溶性や高分子薬物を皮膚に適用する場合には、これら薬物の皮膚透過性の改善が不可欠となる。

薬物の経皮吸収の改善

薬物皮膚透過性を改善するには大別すると、化学的吸収促進法物理的吸収促進法の2つの方法に分類される。

化学的吸収促進法には吸収促進法の利用や薬物の脂溶性プロドラッグ化などがあげられる。

また物理的吸収促進方法としてはイオントフォレシス、エレクトロポレーション、ソノフォレシスおよびマイクロニードルなどの応用が進められている。

経皮吸収促進剤

経皮吸収促進剤は、皮膚に作用しその構造を一時的に変化させることにより薬物の皮膚透過性を増大させる製剤添加物である。
経皮吸収促進剤は、適用が簡便で、古くから薬物の経皮吸収改善方法の一つとして利用されてきた。
代表的な吸収促進剤には、アルコール、脂肪酸、アミド、スルフォキシド、ピロリドン、テルペン類、Azoneなどがある。

経皮吸収促進剤の作用機構は、物理化学的な視点から見て2種類考えられており、一つは皮膚の構造の変化に伴う拡散性の増大であり、もう一つは皮膚の溶媒としての性質の変化による薬物の分配性の増大である。

一般に、吸収促進効果の高い化合物は、皮膚への刺激性や障害性を有するものが多く、実用化に際しては有効性のみならず安全性に対する考慮も必要である。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「経皮投与製剤・腸溶製剤の特徴と利点」カテゴリの関連記事