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大腸への選択的薬物送達〜腸溶製剤の特徴と利点

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大腸への選択的薬物送達

潰瘍性大腸炎やクローン病のような炎症性疾患に対する治療薬が、大腸への局所的治療を目的とした大腸ターゲティング製剤として開発されている

大腸内pHは、腸内細菌による代謝産物である脂肪酸などによる6〜7であり、小腸下部の約7〜8よりも低いpHとなっている。

しかしながら、腸溶性製剤や徐放性製剤が大腸疾患に対する局所的治療薬として臨床使用されており、メサラジン(ペンタサ錠)はメサラジンを含有する顆粒を高分子(エチルセルロース)でコーティングした後、打錠して製したもので、投与後、錠剤が崩壊して放出された顆粒により小腸からの薬物吸収は抑制され、通常製剤に比べて大腸への薬物到達性が向上することが示されている。

また、大腸内には小腸のように消化酵素は存在しないので、大腸を利用して消化酵素で分解する薬物の吸収性を改善する試みがなされている。

大腸内には種々の代謝能を持つ約100兆個の腸内細菌が常在しており、最近その特異的酵素分解を利用した製剤的アプローチが検討されている。
大腸内のアゾ還元作用で分解するアゾ基で架橋したプリスチレンとポリビニルのポリマーを用いた大腸へのターゲティングなどの報告があり、新規素材に対する安全性、安定性、コストなどの面で未知の部分はあるが、大腸へのターゲティング機構として大腸内の腸内細菌の代謝を利用したアプローチが有望であると考えられている

ターゲティングの概要と意義

薬物に生体内で標的部位に指向する性質を与えることをターゲティングという。

ターゲティングの目的は、
1. 病巣あるいは体内の特定部位への選択的送達、
2. 副作用発現や薬物失活の原因となる部位への送達防止、蓄積防止(逆ターゲティング)、
3. 送達効率の改善(投与総量の低減)、
4. 従来の方法では送達不可能であった部位への送達などである。

ターゲティング方法による分類

ターゲティングには、薬物の体循環を持続させ、結果的に多量の薬物を標的部位に送達する受動的ターゲティングと、特定のキャリアー、抗体、レセプターやリガンドを用い部位選択的に送達を積極的に行う能動的ターゲティングに分類される。

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