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代表的な徐放性製剤における徐放化の手段

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マトリックス拡散制御型徐放性製剤

マトリックス(Matrix)とは、薬剤を分子状態、あるいは微粒子として基剤中に分散した状態をいい、不溶性マトリックスの中に薬剤を分散させた製剤がマトリックス拡散制御型徐放性製剤である。

除法化のメカニズムは、製剤表面から消化液が侵入し薬剤を溶解させ放出させると、マトリックス中に薬剤が抜け出した空隙ができ、これが次々と連結しチャネルを形成する。
そして製剤内部の薬剤や、Higuchi式の理論に従って拡散しながら、このチャネルを通り抜けて持続的に放出される。

このタイプの徐放性製剤の特徴は、
1. 多くの製剤では溶出量は時間の2乗に比例する、
2. 放出速度は服用初期に速く、徐々に遅くなる傾向にあるが即効性と持続性を併せ持つ、
3. 不溶性マトリックス基剤として硬化油、高級アルコールを、そしてプラスチックマトリックス基剤を用いるが、
比較的製造方法が簡便なため汎用される除法化の手段である。

浸食溶解制御型徐放性製剤

親水性高分子マトリックス中に薬剤を分散させた製剤が浸食溶解制御型徐放性製剤で、マトリックス基剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレングリコール(PEG)などを単独、または混合して使用する場合が多い

このタイプの徐放性製剤の特徴は、
1. 消化液の侵入によってゲル化、膨潤するため、薬剤の放出パターンが複雑である、
2. 薬剤の放出が消化管の蠕動運動に影響されやすいが、溶解度が低く除放化しにくい薬剤でも製造可能である、
3. 疎水性添加物を加えることで基剤の浸食速度を制御できるため、薬剤の溶出挙動をコントロールできる点にある。

例えばアステラス製薬のOCASシステムが海外で実用化されている。

浸透圧制御型徐放性製剤

製剤内部に薬剤が含有されているリザーバーと浸透圧誘起剤が入っているコンパートメントとがあり隔壁膜で二分されている。
消化液が製剤外層である半透膜から侵入すると、浸透圧誘起剤が溶解してコンパートメント内の浸透圧を高め隔壁膜を外部へ広げるため、リザーバーにある開口から薬剤が放出するメカニズムになっている。

このタイプの徐放性製剤の特徴は、
1. 無機塩類を浸透圧誘起剤として含有する錠剤を隔壁膜(酢酸セルロース)でコーティングして、その外層に薬剤を巻きつけ半透膜の錠剤表面にレーザーで放出細孔口を開けていること、
2. 消化液の水分によって浸透圧が徐々に高まるため、細孔口から薬剤や長時間にわたり持続的に一定速度で放出することにある。

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