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公正競争規約が設定された背景 – MRのプロモーション活動上の規制5

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不当な取引誘因の防止と公正な競争の確保

医療用医薬品業界では、昭和40年代から50年代にかけて、添付販売やキャッシュバックなどの景品類の提供を取引誘引とする激しい販売競争が展開され、これが社会問題となった。

1982(昭和57年)に厚生省(当時)は「医療用医薬品流通の改善に関する基本方針」を示して、流通改善について具体的な取り組みの検討、特に公正競争規約の設定、取引条件の改善について要請し、日本製薬団体連合会(以下、日薬連)はこれを受けて、医療用医薬品製造業公正競争規約の策定を掲げた。

1983(昭和58)年に厚生省と公正取引委員会(以下、公取委)は連名で「医療用医薬品の流通改善について」を発表し、当業界に対する具体的な指針を示した。1984(昭和59)年に公取委の認定を受けて「公正競争規約」(以下、公競規)が施行され、同時に医療用医薬品製造業公正取引協議会(メーカー公取協、現在は医療用医薬品製造販売業公正取引協議会に改称)が設立された。
 
 

公正競争規約が設定された背景

公競規は、医療用医薬品製造販売業者が医療機関等やその購入関係者に対して不当に景品類を提供することを制限しているが、それは医療用医薬品に以下のような事情があるからである。

  • 景品が医療用医薬品の適正使用を妨げるおそれがある
    医薬品を購入する手段として医療機関等に金品、労務便益を提供する行為は、医療機関等における医薬品の適正な購入選択を歪めるおそれがある。また、医薬品の過剰使用、不当使用を招くおそれもある。
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  • 景品が医療サービスの向上につながらない
    医療保険制度、薬価基準制度のもとでは、景品類の提供は医療サービスに還元されることはなく、また、医薬品の納入価格に反映されることもない。反対に、薬価基準の適正な決定を阻害するおそれがある。
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  • 社会の批判も大きい
    医療機関等に景品類を提供する行為に対しては、社会的な批判が多い。また、海外においても医療機関や医療関係者に対する景品類の提供の規制は強化されてきている。

 

公正競争規約の法的な根拠

公競規は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(いわゆる独占禁止法)の補完法(特例法)である「不当景品類及び不当表示防止法」(いわゆる景品表示法)第11条に基づき、顧客の不当な誘引を防止し、公正な競争を確保するために景品類または表示に関する事項について、事業者または事業者団体が公取委の認定を受けて設定する自主的なルールである。

したがって、法的な裏付けをもった自主的ルールといえる。

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