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ターゲットを見つける2つの方法 – 医薬品研究開発の基礎知識2

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酵素

酵素は体内での生化学反応を進みやすく(触媒)している蛋白質を含む巨大有機分子である。酵素の「えさ」になるのが基質であり、酵素反応の生成物を代謝物とよぶ。身近な例として、酒を飲んだ場合、アルコール(=基質)はアルコール脱水素酵素によりアルデヒド(=代謝物)に変換され、後者により顔が赤くなったり、気分が悪くなったりする。
もし、ある代謝物が人体にとって悪影響を及ぼし、疾患の原因になっていることがわかった場合、その酵素の働きを止める化合物も医薬品になる可能性があると考えることができる。
 

ターゲットを見つける2つの方法

これまでの創薬法においては、必ずしも初めから創薬ターゲット(標的)分子が発見されたわけではない。従来の薬理学的アプローチでは、多くの場合、生体の生理現象や疾患状態に着目して病因に関連する新規物質(リガンド、基質、代謝物等)を同定し、これらを手掛かりとしてその受容体や酵素を発見し、そのなかから疾患治療に適切な創薬ターゲット(標的)分子を見出すプロセスを踏んできた。今でも汎用されるアプローチである。

最近は、ヒトゲノム情報を利用して論理的に創薬ターゲット(標的)分子を見出そうとするアプローチが行われている。疾患との関連性の確度が上がると期待されている。この方法では、疾患治療に関係する創薬ターゲット(標的)分子が論理的に見出され、これを手掛かりとしてリガンド、基質、代謝物等が発見される手順を踏む。
スクリーニングからは、従来法、新しい方法とも同じ手順となる。このプロセスにおける重要なステップの1つは、疾患関連遺伝子が特定されたときに、それが病気の治療に直結する遺伝子、つまり創薬ターゲットを生み出す適切な遺伝子がどうかを見極めることにある。疾患に関連する遺伝子であっても、創薬ターゲットに結びつかないものが存在するためである。このステップがクリアされてはじめて「ゲノム情報によるプロセス」の有用性が示されることになり、現実にここに研究者の多大なエネルギーと時間が費やされている。

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