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品質の重要性・薬の安定供給 – 開発候補化合物探索の実際3

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品質の重要性

薬は最終的には患者が服用するものなので、その品質は極めて重要である。開発候補化合物は、臨床試験でヒトに投与される前に、原薬の品質規格(純度や不純物プロファイル)を定めて非臨床試験でその有効性と安全性が確かめられる。いったん品質規格が定まると、その後の原薬中に0.1%以上の新規不純物や規格値以上の既知不純物が検出された場合、不適となり、その原薬は臨床試験に用いることができなくなる。プロセス化学研究では、原薬中の不純物を抑える製造法を設定するだけでなく、製造ごとに不純物プロファイルが変わることがないよう堅牢な製造法を確立する必要がある。医薬品製造は各国で定められたGMPに準拠して製造することが定められている。なお、バイオ医薬品に関しては、その多くが生物の生体機能を利用して生産されることから、特に品質管理面などで化学合成医薬品とは異なる対応が求められる。
 

薬の安定供給は製薬企業の使命

薬は患者にとって病気を治すものであり、また生活の質を改善する貴重なものであるため、突然入手できない等の事態を引き起こしてはならないのは当然のことである。薬の安定供給は、プロセス化学の質の高い研究と、その先にある着実な商用生産の実態に大きく依存している。製造施設での事故、再現性のない製造法、原料の入手の不安定さなどの原因で製造停滞を招くことのないよう企業には社会的責任が求められている。
 

開発候補化合物をヒトで試験するための橋渡し①:毒性試験

モノになりそうだからヒトで試験の前にすべきこと
これまで述べてきたプロセスを経て選択された開発候補化合物を、ただちにヒトに適用して試験を行うことは倫理的に許されることではない。その前に、現時点での科学の粋を集めた最先端の技術・知識を用いて、その候補化合物の有効性(=薬効薬理試験)、安全性(=毒性試験と安全性薬理試験)、体内での動き(=薬物動態試験)等を動物で検討し、人での試験(臨床試験)への橋渡しのために重要な情報を得ようとする過程が非臨床試験である。また、化合物の物理化学的性質や安定性もこの段階で精査される。
ここで得られたすべてのデータは、新医薬品製造販売承認申請時に提出することが義務づけられている。なお、上記の各試験のうち、毒性試験および安全性薬理試験の一部は「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施に関する基準」(GLP)を遵守して実施せねばならない。

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