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ライブラリーの目的と充実化について – 開発候補化合物探索の実際

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組み合わせ合成でライブラリーを充実させる

この化合物ライブラリーを充実させる方法としてCombinatorial Synthesis(コンビナトリアル合成)がある。コンビナトリアル合成とは、ロボット技術による自動合成法を用い、試薬の組み合わせを利用して多種・多様な化合物を効率的に合成する技術である。例えば手作業による通常の合成では、試薬AとBから1つの化合物ABしか得られないのに対し、コンビナトリアル合成では試薬A1~AmとB1~Bnのすべての組み合わせによる反応を一度に行ない、A1B1~AmBnまでの化合物が得られる(パラレル合成と呼ぶ)。m ×n個の反応容器があると考えればわかりやすい。
 

ライブラリーは目的に応じて2種類ある

ライブラリーには、上で述べた多様性を持つことを目的に合成化合物をデザインするScreeningライブラリーと、ある程度基本骨格が絞られ、特定の分子種を目的として合成化合物をデザインするFocusedライブラリーとがある。
 

リード化合物の最適化により開発候補化合物へ

前段で得たリード化合物を合成化学的に構造修飾することによって、より生物活性が高く、物理化学的性質・薬物動態・毒性の面でも改善された開発候補化合物に仕上げる段階へと進む。ここでは、 in vitro試験だけでなくin vivo試験(生体内での試験)も併用される。
 

生物活性・薬理活性を最適化して「より効く」化合物へ

この目的のために、構造活性相関(SAR:Structure – Activity Relationship)が行われる。SARとは、化合物の構造変化による生物活性の変化を観察しながら、より活性の高い化合物を求める手法である。これまでに蓄積した知識や経験に基づいて構造修飾が行われる場合が多いが、いかにして最適化合物にたどりつくかは有機化学者のセンスによるところが大きい。
また、創薬ターゲット分子の三次元構造がわかっている場合には、Computer – Aided Drug Design(CADD)やStructure – Based Drug Design(SBDD)とよばれる。コンピュータ上でより論理的に行う構造修飾もある。例えば、酵素が結晶として得られてX線結晶解析データにより酵素の活性部位が推測できる場合には、コンピュータによりこの活性部位に結合する分子構造を探し出すことができる。この分子構造を基に実験化学的に構造修飾を行って効率的により活性の高い化合物へと最適化が図られる。感染症の分野(抗エイズ薬、抗インフルエンザ薬)での成功例がある。

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