HOME > すべての記事 > 医薬品の取り扱いと販売について > 今後の医薬品開発~日本の患者に適切な医薬品を

今後の医薬品開発~日本の患者に適切な医薬品を

655view

国際化が進む今後の医薬品開発

今後の医薬品開発については国際化がさらに進むものと思われ、他の国や地域と協力しながら開発を進めつつ、日本人患者における医薬品のベネフィットとリスクを適切に評価していくことが求められる。
そのためには、開発中の医薬品や対象疾患の特徴(作用機序、代謝経路、対象患者、評価指標など)と民族的要因による影響を十分に検討した上で、開発戦略(治験プロトコルや治験の実施地域・実施時期など)を考えていくことが必要となる。

例えば、作用機序や代謝経路から内因性民族的要因の影響は大きくないと考えられ、また対象疾患や評価指標から外因性民族的要因の影響も大きくないと考えられる場合には、日米EUをはじめ、その他の国や地域も含めた世界規模での国際共同治験が実施できないか検討することが有用と考えられる。

しかし、民族的要因の差異が大きく、評価に影響すると考えられる場合には、世界規模での治験の実施は、得られたデータの評価や解釈を困難とし、効率的な開発には寄与しない場合もある。このような場合には、それ以外の開発戦略を検討することが必要である。
例えば、日本人における薬物動態は白人のそれと比較すると大きく異なっているが、中国や韓国などの東アジア人とは大きな差異がないと考えられる場合には、東アジア地域での国際共同治験の実施が有用かもしれない。東アジア地域間での比較においても民族的要因の差異が評価に大きな影響を及ぼすと考えられる場合には、日本単独での治験の実施が最善の戦略となる場合もある。

したがって、今後の医薬品開発においては、日本単独での治験、東アジア地域での国際共同治験、欧米などとの世界規模での国際共同治験の大きく分けて3つの分類を考えていく必要があり、これらのなかから適宜最善と考えられる戦略を選択し計画していくことが重要である。
医薬品開発を進めるなかで想定とは異なった結果が得られる場合もあるが、そのような場合には、想定とは異なる結果となった要因を十分に解析・検討し、次のステップとして選択すべき戦略や計画は何かを見極めることが必要で、効率的な医薬品開発を行うためには、的確かつ柔軟な判断力が求められる。

日本が医薬品開発の主要国であり続けるために

7c892
医薬品開発の国際化が進むなかで、今後も日本が医薬品開発の主要国であり続けるためには、他の国や地域の理解を得ながら、開発戦略を考え選択していく必要がある。日本の事情だけを主張するのではなく、できるだけ科学的データなどの根拠に基づく説明を行ない、医薬品開発に参加している日本以外の国や地域の患者にとっても有用で、適切な評価が行えるようなデータを収集できるよう計画することが重要である。
こうしたWin-Winの関係を築き、他の国、・地域との信頼関係を高めることが、今後の日本にとって重要であり、最終的には日本の患者に適切な医薬品を届けることにつながるものと思われる。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「医薬品の取り扱いと販売について」カテゴリの関連記事