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専門性を活かすチーム医療 – 医薬分業の誤解6

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処方箋の書き方は、厚生労働省の通知で定められている言わば法定の内容です。
薬物治療の基本中の基本ですが、こうしたことですらなかなか浸透してないというのが現実なのです。

企業に勤めた後に初めて保険薬局で仕事をしたある薬剤師の方は、処方箋1枚まともに書けない医師がこんなに多くいるというのを目の当たりにして、世界的にもレベルが高いと信じていた日本の医療の現実がこれかと愕然とされたそうです。これを聞くと薬を医師任せにしておくことの恐ろしさを実感できます。

医師は人体についての専門知識が豊富にあります。
患者さんの主訴を聞き、検査を選んで、問診をし、それらの結果を総合して診断を下します。そのうえで治療方針を定め薬の処方を決めます。

医学部の教育でも主眼が置かれているのは診断を下す部分です。正しい診断を行うことは、その後の治療方針を決めるうえで言うまでもなく非常に重要です。

しかし、日々進歩する医療技術の中で医療情報も膨大になり、新たに多くの疾病も発見され、現実問題として薬物治療の細部までなかなかフォローできていないという面が出てきているのではないかと思います。
 

 
 

情報量の増加

情報量
AIDSやC型肝炎をはじめ、ここ30年ほどで新たに発見された病気や知見は多くあります。最近では鳥インフルエンザの変異も話題となっています。

IT技術の進歩で画像診断や検査の自動化などの技術が進み、詳しくて複雑な検査がたくさんできるようにもなりました。その情報量は昭和30年代、40年代と比較すると雲泥の差があります。昔と同じ仕組みのままでは、うまくいかなくなるのも当然ではないかと思います。

こうした状況下で、クリニックや医院といった診療所の看板も、以前は一括りで内科と掲げられていたことが主流でしたが、最近では循環器内科や消化器内科など専門化した看板を掲げる施設が目立つようになってきました。
 
 

専門性を活かすチーム医療

医薬品
医薬品にしても同様です。
新しい有効成分の医薬品は、毎年20〜40品目が承認されて発売されています。年間20品目としても10年で200品目、20年400品目になります。医薬品の剤形追加や効能効果、用法用量の変更なども含めた医薬品の承認件数は年間2000件を超えています。

また、医薬品や医療機器などの安全性に基づく回収は年間400件前後もあります。この他にも新たな副作用情報による添付文書変更や製造中止、包装変更なども含めた医薬品情報は1年間だけでも膨大な量になります。

やはり医師は診断や治療に専念し、薬については薬剤師の目でチェックするという方法が理にかなっていると思います。

また日々高度化する21世紀の医療の中で医師にばかり責任を押しつけてももう無理があるのではないでしょうか。

今世紀はすでに、それぞれがその職能の専門性を活かすチーム医療を抜きに進めることができない時代に入っているのです。

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