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新規医薬品の薬価算定方式〜新規医薬品の価格を決定する要因1

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薬価基準

薬価とは国(厚生労働大臣)によって決定される医療用医薬品の公定価格のことである。
わが国では、健康保険制度のもと医療保険を使って行う診察や治療が一般的な医療システムとなっているが、これを保険医療あるいは保険診療と呼び、その報酬金額を診療報酬と呼ぶ。
これは国によって決められており、診療行為に対する報酬と薬剤費(薬価)および医療材料費からなっている。

また、薬局における保険調剤の報酬を調剤報酬と呼び、これも調剤に対する報酬と薬価からなっている。

保険医療では国が指定する医薬品以外は使用することができない。
この指定された医薬品の品目と保険から支払われる薬価を収載したものが薬価基準とよばれるものである。

使用された医薬品について医療保険者から保険医療機関や保険薬局に薬価に相当する金額をベースに薬剤費が支払われる。

病院や薬局では、薬剤費について薬価を基に計算して、毎月まとめて保険の支払い機関に請求し、一部負担金は、薬剤を患者に渡す度に患者から徴収する。

例えば、1錠100円の錠剤を、1回1錠、1日3回、14日分の処方では合計4,200円になるが、保険診療で自己負担が3割であれば、患者には1,400円が請求される。
ただし、実際の会計では、処方せん料、調剤料、指導管理料などが加算される。

また、病院あるいは薬局で薬剤費が異なるのは、薬剤費の計算方法やこれらの技術料が異なるためである。

薬価基準に収載された医薬品

この薬価基準は、医薬品の製造承認が得られたものに限られ、企業からの申請があれば原則としてすべて収載されるが、価格が折り合わない場合など承認取得者が収載を断念することもある。
ただし、薬価基準に収載されていない医薬品、あるいは海外から自主輸入された医薬品などは、保険の適用は認められずすべて自己負担となる。
さらにこれらの薬価基準に収載された医薬品を用いる。

保険治療と上記の保険外医療を組み合わせて行う医療を混合診療と呼ぶが、現在、これは国によって原則認められていないので、すべての医療費が自費となる。

薬価基準への収載は、新規医薬品については年4~5回、輸液のように新規性の乏しい医薬品は年2回、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の場合は7月と11月の年2回行われる。

新規医薬品の薬価算定方式

・類似薬効比較方式
新規収載医薬品の薬価算定方式で、すでに薬価基準に収載されている医薬品の中から、最も類似した化学構造、効能・効果、薬理作用、投与形態を有するものを選び、1日の薬価を同じにする方法で、市場での公正な価格競争を確保する観点から採用されている。

しかし、その類似薬と比較して、画期性・有用性・市場性において優位性がある場合、および小児適用の場合の補正加算や、さらに外国との著しい価格差をなくすための外国調整が行われる。

補正加算では画期的な優位性がある場合は画期性加算、明らかな優位性がある場合は有用性加算、オーファンドラッグのように市場性が明らかに低い場合には市場性加算、薬理作用類似薬がない小児に適用されるものには小児加算が適用され、その程度に応じた加算率で薬価の上乗せがなされる。
例えば、製剤的に工夫された医薬品には有用性加算(?)(加算率:5~35%)が適用される。

薬価の外国調整では、英米独仏の4カ国内の価格を平均したものを外国平均価格とし、算定された薬価が1.5倍以上であれば引き下げ、四分の三以下であれば引き上げが行われる。

・原価計算方式
国内でまったく類似薬がない新規の医薬品の場合の算定方式で、製品総原価、流通経費、営業利益、消費税などが積み上げられて算定される。
この場合の、必要に応じて価格の外国調整が行われる。

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