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条件付きの製造販売承認が増えた背景~承認の条件とその適用2

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条件付きの製造販売承認が増えた背景

現在最も待ち望まれている新薬の多くは、難病や従来薬物療法が満足いく成果を上げていない疾患領域を対象としている。そのなかには希少疾病用医薬品など、そもそも患者数が少ないものや、がんに対する医薬品など1日でも早く使いたい新薬がある。
これらの状況から、できるだけ開発時の開発者リスクや負担を軽減し、また医薬品が使えるまでの期間を短縮する努力が求められる。しかし、そのような理由があるにせよ、不十分なデータでは有効性や安全性を確かめることはできない。
これら相反する要請に何らかの形で応えていくことが求められており、その解決策の1つとして条件付き承認が用いられている。

具体的には、承認の前後を新薬実用化に向かっての一連の期間ととらえ、販売が開始されたあとも継続して必要な臨床試験などを行ない、これらにより積み重ねられたすべてのデータによって最終的に製造販売承認を確固たるものとするための法的根拠のある具体策と考えることができる。
また、この承認条件を付される医薬品のなかには、外国での使用成績などから重い副作用の発現が見込まれるため慎重な使用が求められる場合や、医薬品の習慣性に基づく健康被害を防ぐために販売方法を規制する目的で使われることもある。

希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の例

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医薬品の有効性や安全性を調べるには治験が不可欠だが、希少疾患の場合、患者数が少なく、有効性を判定するために必要な十分な被験者を確保することが困難なことがある。

この場合、十分な数の被験者が集まるまで時間をかけるのではなく、ごく少ない症例で有効性・安全性の見通しを立て、その段階で承認を取得し使用できる形としたあと、さらに継続して有効性と安全性に関する試験を実施し、最終的な有効性を確かめる方法が取られることが多い。

このような場合は、これを補うため市販後の使用患者の全般を調査対象とし、データを収集する場合がある。
使用する患者すべてから情報を収集する調査方式を全症例使用成績調査という。

抗がん薬の例

抗がん薬の有効性は、最終的には生命予後に与える影響で評価されるが、生命予後の評価は生存率の比較など、数年にわたる観察が必要となる。この結果、臨床開発期間は少なくとも5年以上が必要となってくる。
一方、がん化学療法の領域では、満足いく治療効果をもつ医薬品はいまだ少なく、1日も早い新薬開発が望まれている。

このような状態であるので、臨床上有望な新薬が開発されたときは、まず比較的短期間に評価ができる腫瘍縮小効果による判定が行われ、いったん承認が行われる。
その上で市販後に生命予後(生存)に与える効果の確認を行ない、治療効果の最終的な確認がなされることがある。この場合、市販後の生命予後のデータによる有効性の確認が承認条件となる。

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