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医薬品はなぜ効くのか~個別化医療について解説

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ある物質が疾病や治療に広く用いられるようになるためには、科学の発展が非常に重要な役割を果たしている。

例えば、アスピリンは現在でも汎用される解熱・鎮痛、抗炎症薬の1つだが、もともとは古代ギリシャ時代に医師のヒポクラテスがヤナギの樹皮を鎮痛・解熱に用いたのが始まりだといわれている。
その後、このヤナギの樹皮の抽出エキス(サリシン)に効果があることが確認され、そして分解物であるサリチル酸が用いられるようになった。
しかし、苦みや胃腸障害のためにより安全な医薬品の開発が試みられ、1897年にアセチル化したアセチルサリチル酸(アスピリン)が合成され、それ以来100年以上にわたって医療に貢献している。
このアスピリンの例だけをみても、科学の発展が不可欠であることがわかるだろう。
すなわち抽出、物質分離、化学合成、薬理などの分野での発展がこの医薬品の誕生には必要だったわけである。

また、この例からもわかるように、医薬品といってももともとは物質であり、そのうち臨床的な効果が証明されたものを医薬品と呼んでいる。

 

種差や薬物動態なども考慮しながら評価

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おもに疾患モデルにおける作用、ターゲットとなる物質(受容体や標的タンパク質)との結合特異性、情報伝達系への作用(情報伝達物質遊離への影響、チャネル活性、酵素活性など)などが検討されていることがわかるが、非臨床試験のヒトへの外挿性なども考慮する必要があり、臨床効果への寄与などについては種差や薬物動態なども考慮しながら評価することとなる。

新しい医薬品が承認され、医療現場で利用可能となることは、治療の選択肢を増やし、新しい治療法の確立につなげるため重要である。
しかしながら、新しい医薬品であるからこそ科学的に未解明なこともあり、医療に携わる者は個々の医薬品の特徴を十分に理解した上で使用しないと、本当の意味で患者に恩恵をもたらすことにはならないということをしっかり理解しておく必要がある。

 

個別化医療

医薬品の投与に関して、最近、急速に発展してきた個別化医療について解説する。

個別化医療とは、患者個人の特性に合わせて、複数の医薬品から最適な医薬品を選択する、あるいは医薬品の投与量などを調節することによって、ベネフィット・リスク比を最大化(ベネフィットを最大化し、リスクを最小化する)しようとするコンセプトである。
具体的には、個々の遺伝子、発現タンパクなどを検査して、その結果に基づき薬剤治療方針を決定することとなる。

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