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ターゲティングとその方法について〜DDSの概念と有用性2

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ターゲティング

薬物に選択的に標的を指向する性質を与えることを標的指向化(ターゲティング)と呼び薬物の生体内分布を制御し、治療係数を改善する最も有効な方法である。

副作用の強い抗悪性腫瘍薬への適応が最も期待されるが、必要な部位の薬物を送達するという概念は、すべての医薬品共通の理想型であり、さまざまな戦略によりターゲティングが試みられている。

ターゲティングの目的

・病巣あるいは体内の特定部位への選択的送達
・副作用発現や薬物失活の原因となる体内部位への送達、蓄積の防止(逆ターゲティング)
・従来の方法では送達不可能であった部位への送達
・作用部位への再現性のよい送達 ・送達効率改善による投与総量の低減

ターゲティングの方法

・局所投与
・作用発現点に特異性のある薬剤の開発
・特異的生体反応の利用
・プロドラッグ
・薬物キャリアーの利用
・生物学的認識機構の利用
・体外部からの制御 などがある。

局所投与は最も容易な方法であり、さまざまな医療技術を用いて直接患部への薬物を投与するものである。

作用発現点に特異性のある薬剤の開発はターゲットにおいてのみ選択的に作用する物質を利用するもので、例えばβラクタム系抗生物質は細胞壁合成阻害作用を有するが、ヒトには細胞壁が存在せず、細菌には存在することから、広義にはこれもターゲティングとなる。

特異的生体反応の利用はアンジオテンシンによる昇圧がん化学療法があげられる。

プロドラッグは作用発現点に特異性のある薬剤の開発と類似するもので、標的部位の生理的機構、例えば、酵素を利用し、標的部位でのみ選択的に活性化されるように設計したものである。

薬物キャリアーの利用はキャリアーの性質に基づいた生体内特性を利用し、ターゲットへ選択的に薬物を送達する方法である。
腫瘍組織における微粒子キャリアーのEPR(Enhanced Permeability and Retention)効果を利用したものが例としてあげられる。
生物学的認識機構の利用として抗体など生体成分由来のものがあげられる。
特に抗体は特異性が高いことから最も期待されるターゲティングツールとして考えられている。
体外部からの制御としては磁力、温度、超音波、光など体外部からの力により、標的部位への薬物集積、キャリアーからの薬物放出、薬物の活性化などによりターゲティングを行う。

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