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薬物の吸収促進・コントロールドリリース〜DDSの概念と有用性1

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DDSの定義

DDSは「薬物投与の最適化を目的として設計された新しいシステム」と定義される。

最適化の中身は、
1. 薬物の吸収促進、
2. コントロールドリリース(Controlled Release)、
3. ターゲティング(Targeting)
に大別される。

薬物の吸収促進

薬物の吸収促進には、吸収促進剤を併用したり、プロドラッグとして新薬物の脂溶性を高め腸管粘膜透過性を改善するなどの方法がある。

吸収促進剤は、さまざまな薬物への適応が可能であり、また薬物そのものを改変するわけではないので、簡便な方法といえる。
しかし、研究レベルで吸収促進作用が認められるものは多いものの、細胞や組織傷害性があり、実用化に至ったものは少ない。
分子生物学の進歩により、細胞間隙のタイトジャンクションタンパク質の同定とその機能解析が進歩し、科学的理論に基づく吸収促進剤が開発されることが期待されている。

また、プロドラッグは新薬物を化学装飾し、新規化合物となることから、医薬品となるためには多くのハードルが存在するが、脂溶性の改善やトランスポーターを利用した吸収性の改善、特定の細胞に存在する酵素を利用したターゲティングなど、実用化されたものが多い。

コントロールドリリース

一般に薬物の治療効果と副作用は、投与後の薬物血中濃度によって規定されるが、血中濃度はそれぞれ薬物固有の治療域濃度、すなわち最低薬効発現濃度(MEC)と最低毒性発現濃度(MTC)の間に維持されることが望ましい。
しかし静脈内投与や通常製剤では、治療域中に最適な血中濃度が維持される時間は限られており、また投与量によっては、治療域を超え副作用が発現したり、治療域以下となり薬効を発現できない場合もある。
そこで、コントロールドリリースは、投与形態を工夫して薬物の血中濃度を最適な状態に制御しようとするものである。
経口投与型のコントロールドリリース製剤は、錠剤として多くのものが上市されている。

一般にワックスや不溶性基剤、ゲル形成高分子、腸溶性基剤が用いられている。

外用としては放出制御膜を利用しピロカルピンを1週間にわたり放出できる緑内障のコントロールドリリース製剤や、同じ放出制御膜を利用したニトログリセリン、硝酸イソソルビドの経皮吸収型製剤も実用化されている。
経皮吸収型製剤は、治療のみならず、その長時間の血中濃度維持から、狭心症の予防製剤としても使用される。
また口腔粘膜付着システム、鼻腔内滞留システムなども実用化されている。

注射剤においても、静脈内投与ではなく、懸濁剤として筋肉内投与することでコントロールドリリースが実現されている
さらにリュープロレリン酢酸塩を生体分解性高分子の徐放性マイクロスフェアーとした製剤は、1ヶ月または3ヶ月もの長期にわたりコントロールドリリースが実現されている。

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