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放出制御型注射剤・膜透過性制御型徐放性製剤〜代表的な放出制御型製剤3

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放出制御型注射剤

作用の持続化を目的とした放出制御型注射剤として、リュープロレリン酢酸塩を含有する注射剤(リュープリン注射用)が開発されている
リュープロレリン酢酸塩は黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)誘導体であり、天然体の約100倍高い活性を持つ。

リュープリン注射用を皮下投与すると、持続的に放出されるリュープロレリンにより、LH-RHレセプターのダウンレギュレーションが起こる。
その結果、エストロゲンあるいはテストステロンの分泌が抑制されることから、子宮内膜症、子宮筋腫、閉経前乳がん、前立腺がんなどの治療に用いられている。

リュープリン注射用は、生体内分解性高分子である乳酸・グリコール酸共重合体により調整されたマイクロカプセル(平均粒子径約20μm)にリュープロレリン酢酸塩を含有させたものであり、皮下投与後、投与部位で乳酸・グリコール酸共重合体が徐々に分解されることにより、リュープロレリンが4週間にわたり持続的に放出される。12週間に1回投与する製剤も使用されている。

代表的な徐放性製剤における徐放化の手段

徐放性製剤は、放出速度制御製剤に位置づけられ、現在、臨床で最も多く使用されている放出制御型製剤である。

以下に徐放性製剤は歴史的に内服薬で開発されてきた技術であるという経緯を考え、内服固形製剤における徐放性製剤について徐放化の手段(メカニズム)を系統的に解説する。

膜透過性制御型徐放性製剤

芯物質である錠剤、顆粒、微粒子に、エチルセルロースやアクリル酸系の不溶性高分子をスプレーコーティングして徐放性機能を持った皮膜を形成したのが徐放性製剤である。

徐放化のメカニズムは、製剤内部へ消化液が侵入することにより芯物質に含有される薬剤が溶解し、不溶性高分子皮膜の細孔を通過して消化管内に徐々に放出される。

このタイプの徐放性製剤の特徴は、
1. 定常状態では0次放出速度で一定に放出すること、
2. 不溶性のコーティング膜が比較的硬いため、消化管の蠕動運動によって破損することが少ない、
3. 放出速度はコーティング膜の厚さ、透過性、表面積、および芯物質(錠剤、顆粒、微粒子など)に含有される薬剤の溶解度を調整することでコントロール可能であること、
4. 徐放性製剤(徐放部分)と速報性製剤(速報性部分)とを組み合わせた複数ユニット混合徐放性製剤である論タブ(Lontab:有核錠)、スパンタブ(Spantab:多層錠)、スパンスル(Spansule)、スパスタブ(Spacetab)などを製造することで治療に即した血中濃度プロファイルが得られること、
5. 100μm以下の微粒子設計、流動層型や遠心転動型微粒子コーティング装置の飛躍的な進歩によって、
より精度の高い徐放性製剤が製造可能となったことなどがあげられる。

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