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時限放出型製剤〜放出制御型製剤(徐放性製剤を含む)の利点3

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LH-RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)の実験

LH-RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)においては有名なサルの実験がある。

1時間に1回のパルス状投与では、血清LH、FSH濃度は上昇するが、1時間に5回のパルス状投与あるいは連続注入では、逆にこれらの濃度は低下した

引き続きこのサルに1時間に1回のパルス状投与をすると、再び血清LH、FSH濃度は増加した。
本来の性腺系の活性化による不妊症の排卵誘発療法では90分間隔のパルス状投与がなされている。
従って、高活性のLH-RH誘導体であるリュープロレリン酢酸塩は連続投与すると逆にLH、FSH濃度は顕著に低下し、性ホルモンの生合成が抑制されてテストステロンやエストラジオールの血中濃度は低下して性腺系の抑制がおこる。

これを化学的去勢あるいは内科的去勢と呼ぶ。

この連続投与による拮抗薬(アンタゴニスト)様作用を利用して前立腺がん・子宮内膜症の治療が行われている。
この場合、長時間の連続徐放性製剤とすることによって、低投与量で確実なレセプターのダウンレギュレーションが得られ理想的な投与製剤となった。

また、生体内鎮痛ホルモンのエンドルフィンやモルヒネは、連続して投与した場合、耐性の出現による有効薬物濃度の上昇がみられ、治療効果を得るには投与量の増加か少し長期の休薬期間が必要になる。
この場合も自己で投与間隔を空けるか、製剤のなかにパルス状で放出することのできる放出制御型製剤を開発する必要がある。

これらの例のように、ホルモンの多くはその放出パターンによって結果的に作動薬(アゴニスト)とアンタゴニストとしての両方の作用を示す。
したがって、これを薬物として使用する場合には、どの効果を目的とするかを明確にして、その効果の発現が得られる投与パターンをあらかじめ検討しておくことが重要である。

時限放出型製剤

このタイプの製剤で最も使用されているものに、胃では溶解せず腸で溶解して薬物を放出する腸溶性製剤がある。
これは、薬物が胃で溶解すると酸性の胃液や消化酵素で分解する薬物の安定化や胃粘膜への潰瘍を有する薬物の副作用可否のために開発された。
酸では溶解せず、アルカリ性で溶解する高分子によって薬物をコーティングして顆粒にしたものが使用されている。

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