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MRがインサイダー取引に問われた事例 – MRが遵守すべきその他の法令3

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経営者ではなくても内部情報を利用した株式等の取引は禁止(金融商品取引法)

株式が上場されている企業が対象
上場会社において「投資家の判断に影響を及ぼすような内部情報をいち早く知ることのできる特別な立場にある者」等が、その内部情報が公表される前に株券等の取引を行うことをインサイダー取引という。

このインサイダー取引は、金融商品取引法第163条以下で規定されており、違反者には刑事罰が科せられることとなる。

会社の内部情報をいち早く知ることのできる特別な立場にある者が、その内部情報が社外に公表される前に株券等の売買を自由に行うとすると、その内部情報を知らない一般の投資家と比べ極めて有利な取引が可能となり、明らかに不公平が生じる。

このような一般投資家の犠牲の上に行われる取引を認めると、証券市場の公平性は著しく損なわれ、結果として投資家の証券市場に対する信頼は薄らいでしまう。

すなわち、インサイダー取引を規制する目的は、証券市場の公平性を維持することにより、一般投資家を保護し、証券市場への信頼を確保することにある。
 
 

MRがインサイダー取引に問われた事例

【事例】
ある日、A製薬会社のMRは、自社が販売する大型新薬の副作用により10人の患者さんが生命に関わる重篤な障害を負ったという情報を学術情報部から入手した。

このMRは、その有害事象により自社の株価が下落することを予想して、当日、自分名義の株式3,000株を至急売るように証券会社に電話した。

翌日、厚生労働省は、今回の有害事象について記者発表を行った。その直後から予想どおりA社の株価は急落した。

この事例におけるA社MRの行為は、法律上では金融商品取引法違反(インサイダー取引)により、5年以下の懲役、もしくは500万円以下の罰金(場合によってはその両方)に処せられる。また、得られた財産の没収または追徴もある。法人の場合は、行為者を罰するほか、当該法人も3億円以下の罰金が科される(両罰規定)。

なお、インサイダー取引が実施されたことにより、利益が生じたか否かを問わず、刑罰の対象となる。
 
 

自分の取引だけでなく他人に教えた場合もインサイダー取引に

MRが上記事例の情報をA製薬会社の株式を保有する医師等に情報提供し、医師等が同様の行為を行った場合には、やはりインサイダー取引違反に問われることになる。

したがって、MRの情報活動は、このようなことにも十分に注意を払って行う必要がある。

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