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医薬品開発を計画する際に考慮すべき因子2

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開発テーマの設定

開発テーマの設定については、研究所における研究所自らが行う場合、企画・調査部門が担当する場合、両者がプロジェクトチームを組む場合、また営業部からの提案で行われる場合もある。
これらのテーマ設定から目的疾患における薬物ターゲットが設定されたら、それらに沿ったスクリーニングリード化合物の探索等が行われる。

リード化合物の選択は、ある病気にターゲットを定め、標的分子を含んだ疾患細胞・組織に多数の化合物を手当たり次第に作用させるランダムスクリーニングからはじまる。
まず、ランダムスクリーニングにより活性のある物質が複数見出された(ヒット化合物と呼ばれる)後、さらに活性のみでなく、物性、毒性、誘導体化難度などが考慮され、リード化合物が決められる。

開発は、このリード化合物をもとに本格的な合成展開がなされ、効果、安全性が高くなるような化学修飾が施されていき、最終的な医薬品候補化合物となる(リード化合物の最適化:リードオプティマイゼーション)。

ヒット化合物、リード化合物の探索は、創薬研究プロセスの重要な役割を担い、その探求スピードが新薬開発競争の大きな鍵を握る。
そのため多くの化合物を合成し、その生理活性評価を効率よくすすめることが最重要となり、さまざまな方法がとられている

開発段階において考慮される因子

開発テーマの設定が行われ、医薬品候補化合物が見出されると、実際の開発へと具体化されていく。
候補物質がさらに育てられ市場に発売される期間、すなわち開発段階へと進んでいく。

この段階では研究、開発、企画、生産、営業、特許などさまざまな部門が協力することが重要であり、社会的、また医療現場におけるニーズ、市場性などを見据えながら展開されていく。
万一、開発段階において医療ニーズや利益獲得の低下が推測されることが起こった場合は、開発を断念すること、他社への開発権譲渡の検討がなされる

またオーファンドラッグとして開発するよう変更されることもある。

この開発段階は、
1)非臨床試験、
2)臨床試験段階
に分けられる。

非臨床試験は動物(主にマウス、ラット、ウサギ、イヌ)を用いた試験であり、この試験において有効性、安全性の確認がなされなければ、臨床試験に移行することに倫理的妥当性はない。

非理臨床試験で検討される内容は、
・薬効薬理試験
・安全性(急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、特殊毒性など)試験
・薬物動態(吸収・分布・代謝・排泄)試験
・GLP、GCP、GMPに合致する一定品質の化合物の安全性、環境面を考慮した製造法
・物性試験、安定性試験
・臨床試験分析法
などである。

臨床試験

新規化合物が発見され、合成されてもそのままの形で人に投与することはできない。
化合物の溶解性、安定性、薬理作用、吸収・代謝特性の情報に基づく投与経路、剤形が選択され製剤設計が行われ、適用されやすく、有用性の高い薬剤開発が目指される。
これら製剤の高度な技術が、薬物の有効性を高め、副作用の発現を最小限に抑えることへとつながる

したがって非臨床試験段階において、製剤化、剤形も重要な検討事項である。

非臨床試験の厳しい総括の結果、ヒトに適用しても安全で開発する価値があると判断された薬物について、ヒトでの臨床試験に移行することができる。

臨床試験は、第Ⅰ相臨床試験第Ⅱ相臨床試験第Ⅲ相臨床試験へと段階を経て行われる。
そしてそれぞれのフェーズ(phase)において配慮されるべき事項がある。

臨床試験では、第Ⅰ相臨床試験段階で何らかの問題が生じた場合は、直ちに試験は中止される

医薬品の開発は、患者への利益を重んじて行われ、社会に対して貢献するものでなければならない。
医薬品が高い有効性を持つことは重要であるが、同時に安全性、適用性にすぐれているものでなくてはならない。
その開発には国民の理解が不可欠であり、また医薬品開発者は十分な倫理的責任を自覚しながら創製に携わることが大切である。

医薬品開発には倫理性と公益性が伴わなければならない。

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