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薬効薬理試験および一般薬理試験〜非臨床試験の目的と実施概要3

2019view

遺伝毒性試験

遺伝毒性試験には、サルモネラ菌や大腸菌などの細菌を用いる遺伝子突然変異試験(エームス試験)、哺乳動物の培養細胞を用いる染色体異常試験、さらにげっ歯類造血細胞を用いる小核試験があるが、原理的には細胞の遺伝物質(DNA)に作用してその構造・機能に障害を与えるかどうかを調べる試験である。

これらの試験ですべて陽性が出た場合は、臨床試験を中止にすべきと判断される
また、一つでも陽性が出た場合は、有用性と安全性の閾値を考慮して判断することになる。

がん原性試験

がん原性については、通常臨床試験を実施している段階では試験結果が入手できないので、遺伝毒性試験の成績から発がん性懸念される場合、反復投与毒性試験において腫瘍性の変化など見られる場合、そして臨床での投与期間が6ヶ月以上になる場合に実施する。

一般に、がん原性試験は2種のげっし類動物を用いてラットでは24~30ヶ月、マウスでは18~24ヶ月、1日1回被験物質を繰り返し投与し、悪性腫瘍発生率を評価する

生殖・発生毒性試験

生殖・発生毒性試験はげっし類動物を用いて、生殖細胞(雌雄)の形成、受精・着床、胚や胎児の発育、妊娠の維持・分娩、そして授乳・保育に対する毒性を生殖発生過程ごとに被験物質を投与して評価する試験である。

また、第Ⅰ相開始までに、反復投与毒性試験での雄生殖器の病理組織学的検査が必要になる

局所刺激性試験

局所刺激性試験は被験物質を局所に投与して、痛みや組織への有害性を評価する試験である。
局所刺激性データは、注射剤、貼付剤、点眼剤などの臨床試験には必要となる。

薬効薬理試験および一般薬理試験
・薬効薬理試験 被験物質の有効性、作用機序や薬効の用量相関性を正常動物(正常細胞)や病態動物を用いて評価し、対象疾病に対する効力を裏付ける試験である。
薬効薬理試験によって臨床用量考察のためのデータが得られる。

・安全性薬理試験 安全性薬理試験は被験物質の薬効薬理作用(主作用)以外の作用、すなわち一般症状、行動に及ぼす影響、生命維持機能などへの作用を評価する試験である。

必ず実施しなければならない試験項目はコアバッテリーと呼ばれ、生命の維持機能をもつ心臓血管系、中枢神経系、呼吸器系の3つの器官に対する作用を評価する安全性薬理試験である

薬物動態試験

薬物動態試験は、動物に被験物質を投与した時の吸収、分布、代謝、排泄を調べる試験である。
被験物質の体内動態の試験で得られる結果は、薬効薬理試験や毒性試験の結果との関連性を見ることで、有効性や安全性の評価に繋げられる。

しかし、動物で得られる薬物動態はヒトとは異なる場合があるので、注意を必要とする

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