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物理化学的性質の研究〜非臨床試験の目的と実施概要2

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物理化学的性質の研究

医薬品候補物質は、非臨床試験において原薬をそのまま使用する方が多い。
物理化学的性質の研究で安定性や溶解性を中心とした原薬の物性が評価され、一定の品質が確保された原薬が毒性試験、薬効薬理試験、薬物動態試験に用いられる。

医薬品開発の初期段階において、信頼性のある定量方法を用いることができれば、物理化学的性質の研究の成果は一定の品質の原薬の使用に繋がり、さらにはCMC(化学、製造および品質管理:Chemistry, Manufacturing and Control)を行う上でも有利になる。
例えば、原薬の製造工程で産生される副産物や不純物のプロファイルを確実に定めることができ、さらに原薬に適切な規格設定がなされる。

物理化学的性質への研究では、安定性、溶解性、水分含量、融点、旋光度、結晶多形、純度、pH、解離定数、分配係数などの物性が調べられる。
これらの物性はプレフォーミュレーション研究に繋げられ、その情報をもとに製剤の物性、安定性および生物薬剤学的評価や非臨床試験製剤(毒性試験用)製造に対して用いられる製剤の設計が行われる。

さらに、一定の品質の原薬を使って治験薬の処方と製法が決められる。

この段階において、原薬および製剤の品質保証は「治験薬の製造管理および品質管理基準および治験薬の製造施設の構造設備基準(治験薬GMP)」に基づいて行われる。

毒性試験

毒性試験は「医薬品の安全性試験に関する基準(GLP)」で運用される。
毒性試験は動物に被験物質を投与した場合に発生する有害作用を評価し、ヒトでの安全性を予測するための情報を得るために行われる。
毒性試験において、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、特殊毒性が調べられる。

・単回投与毒性試験
単回毒性試験は、被験物質を1回投与した場合に有害作用が発現すると投与量と毒性の変化(すべての有害作用の内容および障害度)との関係を把握する試験である。 段階的に投与量を上げ有害作用が生じる投与量まで評価する。
通常、2種類以上の動物(げっし類と非げっし類)で行われるが、一種の試験の場合は雌雄両性の検討が必要になる。

・反復投与毒性試験
反復投与毒性試験の投与期間は臨床試験の期間と同じか、それを超えるかであり、投与は毎日1回、1ヶ月から1年間繰り返して行われる。
反復投与毒性試験は二種類の動物(一種はげっし類)で実施し、無毒性量が決められる。
この無毒性量は臨床試験における初回投与料を決定する上で一つの指標とされる。

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