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医薬品に求められる品質特性 – 品質と規格(品質評価・規格設定の必要性)7

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抗菌性保存剤を含有する製品について

抗菌性保存剤を含有する製品について、保存剤の選択理由とその有効性、あるいは本来抗菌性である製品についてはその抗菌有効性を評価する。また、抗菌性保存剤の規格下限濃度における微生物の繁殖抑制を評価する必要がある。
無菌製剤については、無菌性を評価しなければならない。局方の無菌性試験法の検出力はそれほど高いものではなく、最終製品が無菌性を示したとしても、実はその試験で調べた限りにおいて汚染微生物が検出されなかったことを示しているのみで、その医薬品が無菌であることを保証したことにはならない。製造工程の微生物学的な管理や微生物汚染防止に関する容器および施栓系の完全性を評価することが重要である。

 

低分子・化学物質を有効性の源とする医薬品に求められる品質特性

最終的な目標は臨床で使用される製剤の品質を管理するために品質特性を評価することである。原薬、添加剤および製剤の各段階で品質評価が行われる。ここでは汎用される化学合成医薬品に関して解析が必要な品質特性を解説する。

 

原薬

化学合成原薬の場合、確認試験、純度、生物活性や安定性に影響を及ぼす性質または特徴が、解析が必要な特性となる。そのために、構造情報、物理化学的特性、微生物学的特性および不純物に関する情報が求められる。
構造情報・物理化学的特性
構造特性に関する情報はもっとも基本的な情報である。通常の有機化合物の構造解析と同様に、元素分析、NMR、IR、UVおよび質量スペクトルなどが測定、解析され、ここで得られた知見をもとに確認試験が設定される。医薬品の場合、非常に類似した構造を有する化合物から識別できることが必要であり、IR試験が確認試験として設定され、品質管理に用いられることが多い。

 

光学活性化合物の場合

光学活性化合物の場合は不斉性に関する構造特性情報が必須であり、X線結晶構造解析が実施され、キラリティーが決定される。ただし、光学活性体のキラリティーを決定するために必ずX線結晶構造解析を要するわけではなく、光学活性な糖類を出発原料として合成され、かつ立体構造が保持されることが明らかな場合には、X線結晶構造解析を実施せず、製造工程とNMRなどの構造確認手段から立体構造を決定する場合もある。

 

製剤を開発し、製造管理するために

製剤を開発し、製造管理するためには原薬の溶解度、分配率、水分含量、粒子径、結晶多形、膜透過性を評価しておくことが重要である。これらは特に経口固形製剤の溶出特性を支配する因子であり、経口固形製剤を設計するための基礎的情報となる。
結晶多形は医薬品の安定性および溶出性(経口固形製剤の場合)を支配する大きな要因となるので、経口固形製剤に使用する場合には十分な評価が必要である。通常各種条件で再結晶を実施し、IRスペクトル、粉末X線結晶回折、融点、熱重量測定(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)などを検討し、結晶多形の有無を検討する。結晶多形が生じることが判明した場合には、製剤に用いる原薬の結晶多形を選択し、これを管理する方法を設定しておく必要がある。
原薬中の水分子も安定性や含量に影響するのであらかじめ評価する。原薬中の水分子が結晶水か、あるいは単に結晶表面に付着しているだけなのか明らかにしておくことは重要である。

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