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品質管理コストを削減するために – 品質と規格(品質評価・規格設定の必要性)14

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製造工程を管理する

品質管理コストを削減するため、タンパク質製剤の場合を例に説明すると、製造工程を管理することで製造される各ロットが均質のものとなるようにし、変化のない規格項目については、毎ロットごとの試験項目から外すなどして試験コストを抑えるように努められている。例えば、製造に用いる組換え体の性質を一定のものとするため、組換え体の管理方法として、シードロットシステムが採用されている。このシステムでは、最初に最も望ましい組換え体の株をマスターセルバンクとして選び出し、このマスターセルバンクから一部を取り、増殖させ、マスターセルバンクと同じ性質であることを確認して、小分けしてワーキングセルバンクを作成する。

 

ワーキングセルバンクとマスターセルバンク

実際の製造には、ワーキングセルバンクの小分けされた1本を使って製造することで、製造に用いる組換え体の性質をマスターセルバンクと同一にしようとする仕組みである。最初に、マスターセルバンクの特性解析(細胞の性質、組換え体としての安定性、生産物の解析)は現在の最高水準の技術を用いて実施される。その特性解析結果を使って、ワーキングセルバンクがマスターセルバンクと同じ性質かどうか確認したり、残りが少なくなったマスターセルバンクを再度作成する場合に、細胞の特性が以前と同じかどうか確認することはできる。

 

ワクチンの品質管理

細菌、ウイルスの成分を用いるワクチンの品質管理は、タンパク質製剤の場合と似ている。ワクチンとして有効で安全な品質となるように、製造に用いる細菌種・ウイルス、ウイルス増殖に用いる培養細胞の管理、培養条件の管理、精製工程管理が重要になる。
完成した有効成分についても品質確保のために物理化学的性質を調べる規格試験が設定されるが、それのみでは不十分で、抗原抗体反応をみる試験、生物を用いた毒性試験・安全性試験などが設定される。

さらに、生ワクチン(病原体を生きたままワクチンにするもの、麻疹ワクチンなど)の場合は、弱毒化されている種ウイルスを培養して製造するが、毒性復帰(弱毒化前に戻ってしまうこと)していないことの確認試験も必要になる。

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