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生物学的製剤およびバイオテクノロジー応用医薬品 – 品質と規格(品質評価・規格設定の必要性)13

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生物学的製剤およびバイオテクノロジー応用医薬品の安全性確保のポイント

生物学的製剤およびバイオテクノロジー応用医薬品には、化学物質製剤にはない危険性がある。例えば、培養工程を利用する製剤(ワクチン、バイオテクノロジー応用医薬品)では、培地成分の混入や、培地成分に含まれる生物由来原料を介しての病原体の混入、培養途中に環境から病原体が混入、増殖して最終製品を汚染する危険性がある。バイオテクノロジー応用医薬品では、組換え細胞の成分の混入の危険性がある。ヒトの血液を原料とする血液製剤では、ドナーのもつ病原体の混入(過去、HIV、HCVなどによる汚染に起因する薬害事件が起きている)などの危険性がある。
これらを防ぐために、化学物質製剤とは違った原材料の管理、製造工程の管理をする必要がある。

 

生物学的製剤およびバイオテクノロジー応用医薬品の品質管理の難しさ

生物学的製剤・バイオテクノロジー応用医薬品では、有効成分自体が巨大な分子であるため、低分子の化学物質製剤と異なり、物理化学的特性を調べるだけでは有効性・安全性が確認できない。
オキシトシン、ソマトロピン(ヒト成長ホルモン)など糖鎖のないタンパク質、ポリペプチドについては比較的構造解析が簡単であるが、糖タンパクであるエリスロポエチンなどの活性物質、さらに分子量の大きい抗体分子では、物理化学的特性のみで有効性・安全性を確認することは困難である。そのため、生理活性(酵素活性、抗がん作用、抗原抗体反応)をみる生物学的試験が重要となっている。

 

現在のタンパク質製剤の製造技術

また、現在のタンパク質製剤の製造技術では、組換え体に目的タンパクの遺伝子配列を確実に導入することでアミノ酸配列(1次構造)は単一のタンパクとなるとしても、各種の糖分子が酵素で結合する仕方は単一ではなく、糖鎖が少しずつ異なるタンパクの混合物として製造される。さらに、製造工程での分割物などの生成も起こる。
混合物の組成は、製造に用いる組換え体の性質、培養条件(培地、温度など)、精製方法などの製造方法が異なると、糖鎖のつき方の違いが起こる可能性がある。それらが有効性の違いや副作用(アレルギー性など)に結びつく可能性がある。
これらの混合物についての有効性・安全性を最終製品の規格試験だけで確認することは、生物学的試験方法などを含めた試験方法を駆使しても困難であるだけでなく、品質管理コストが膨大となる。また、そもそも化学物質製剤に比較してバイトテクノロジー応用医薬品の製造管理コストは大きいといわれている。

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