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品質と規格(品質評価・規格設定の必要性)11

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各剤形の特性に応じ評価すべき項目

剤形によって要求される機能が異なるので、ケースバイケースで評価される項目が存在する。本項目では最も汎用される経口固形製剤、経口液剤および注射剤に関して取り扱う。

 

経口固形製剤

経口固形製剤、特に錠剤は患者自身が家庭で容易に服用でき、QOLの観点からも重要な剤形である。
錠剤は、有効成分が消化管で吸収され、全身循環を通って作用点に到達する。したがって、その錠剤が全身循環血液中の薬物濃度推移が適正な状態(効果を発揮するのに十分な薬物濃度推移かどうか臨床試験により確認されている)になるような品質特性を備えている必要がある。有効成分が消化管で吸収されるには、まず錠剤が崩壊し、その後、有効成分が溶出するプロセスを経る。薬物の血中濃度推移は、多くの場合この溶出速度に依存するので、製剤開発次に設計した適正な溶出-時間曲線(溶出プロファイル)をその錠剤の市販ロットで示すことが求められる。通常、開発段階で複数の試験液(水、酸性、弱酸性、中性)での溶出プロファイルを評価する。
溶出試験は製剤からの一定時間における原薬の放出量を試験液中の原薬濃度から評価する試験である。溶出性が規定の範囲内であることが確認できれば、生物学的に著しく非同等な製品が出荷されることを防止できると考えられている。

 

溶出試験

一方、溶出試験は1つの試験液の溶出曲線の1時点の結果を示しているに過ぎない。実際に各試験液での溶出プロファイルが適正であり、さらに服薬した患者が意図したバイオアベイラビリティ(BA)を示しているか否かは、溶出試験の結果だけではなく、製法の一定性が確保されて初めて保証される。
即放錠の場合は通常1時点の評価を実施するが、除放性製剤の場合は複数時点で評価する必要がある。崩壊過程が律速になり、速やかな溶出を示す場合には、溶出性の評価に代えて崩壊性を評価することも可能である。

 

投与単位の均一性の評価も重要

また、投与単位の均一性の評価も重要である。この均一性の評価には、製剤の質量と製剤中の有効成分の含量の評価が行われる。近年は薬理活性の強い医薬品が開発され、1錠中の主薬含量が数%という薬剤も珍しくなく、そのようなケースでは製剤中の含量そのものの均一性(含量均一性)の評価が重要である。主薬含量が50%の製剤では最大でも2倍含量の錠剤しか存在しないが、2%の主薬含量の医薬品の場合、10倍含量の医薬品も想定可能であり、含量均一性の評価が重要となる。局方の含量均一性試験は、20個ないし30個を抜き取り試験を実施するものであり、この試験により製剤均一性が保証されるには、実は製造プロセスで混合の均一性がきちんと制御されていることが条件となっている。

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