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製剤・共通して評価する項目 – 品質と規格(品質評価・規格設定の必要性)10

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製剤

製剤の品質特性を考える際には、機能的な面を含め製剤そのものの品質評価およびその構成成分である原薬や添加剤の品質を十分に評価する。多くの製剤に共通して評価する項目と剤形の機能に関連し、剤形ごとに評価すべき項目がある。

・添加剤の評価
賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、pH調節剤、酸化防止剤、膜透過性促進剤、放出制御剤など各種の添加剤が原薬に追加されて製剤が完成する。添加剤に関して、それらが目的とする機能性を発揮し、かつ製剤の有効期間を通じて役割を果たしうる能力を評価することが必要である。例えば、原薬と添加剤、あるいは添加剤を2成分組み合わせて使用する場合など、原薬と添加剤あるいは添加剤と他の添加剤の配合特性についても評価しておく必要がある。
添加剤の品質の微妙な変化が製剤機能の大きな変化につながることがある。滑沢剤のステアリン酸マグネシウムが、BSEのリスクを回避するためにウシ由来のものから植物性に切り替えられたとき、滑沢剤の粒子が細かくなって表面分布状態が変化、溶出性が低下し、製薬会社は対応に追われたことがある。

 

共通して評価する項目

共通して評価する項目としては、製剤中の原薬の確認、含量(力価)および純度の評価が含まれる。製剤中の原薬の評価法を確立しておくことは重要である。製剤化のプロセスは原薬に添加剤が加えられ、製剤機能が付加される過程であり、規定どおりの原薬が用いられていれば、製剤中に原薬が存在していることは自明のはずである。しかし、GMPの管理を実施してもリスクは残り、最終製品で再確認をする必要がある。

さらに現在では、原薬と製剤の工場が異なるのは無論のこと、素錠までの工程とコーティング工程が異なる、あるいは錠剤バルク工程とパッケージング工程で工場が異なることも珍しくない。複雑化したサプライチェーンに起因する事故を防ぐためにも、最終製品で原薬の存在を確認することの重要性は増している。

 

製剤中の原薬の確認

製剤中の原薬の確認は、添加剤中から原薬を同定する必要があるため、添加剤の妨害がなく、かつ存在すると考えられる類似構造をもつ化合物と識別できる方法である必要がある。HPLCやTLCを組み合わせて評価されることが多い。
含量の評価(定量)も、基本的に考慮すべき事項は医薬品原薬における定量と同じであるが、添加剤の妨害を受けない評価法である必要があり、HPLCによる定量が実施されることが多い。

不純物の評価に関しては、製剤化のプロセスおよび製剤の保存中における分解、あるいは添加剤と反応して生成する不純物を特定し、許容される基準を設定する必要がある。原薬の合成工程に由来する反応中間体などの不純物に関しては、原薬で管理されているので、改めて製剤で許容基準を設定する必要はない。

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