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品質は有効性、安全性評価の前提 – 品質と規格(品質評価・規格設定の必要性)

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医薬品以外の一般の工業製品では、ある製品が優れているという評価は、その製品の品質が優れているということと同義と考えられる。医薬品の場合にも、一般的(市販後)には有効性・安全性も含めて判断され、品質の善し悪しが決められる。しかし、市販前の開発・承認審査過程では、医薬品の品質は、約束ごととして医薬品の物質としての性質に限って取り扱っている。

 

品質は有効性、安全性評価の前提

この場合、品質は有効性、安全性評価の前提となっている。
言い換えれば、医薬品に用いる物質として問題のないものを用いて有効性・安全性を評価した結果、有用性が高いと判断された場合に有用な医薬品と評価される。

医薬品の承認審査にあたっては、信頼性に裏付けられた申請資料に基づき、有効性・安全性のベネフィット・リスクバランスを評価し、効能・効果、用法・用量、使用上の注意の妥当性を判断して、医療現場で有効かつ安全に使用できると認められた場合に薬事承認される。通常どのような医薬品であっても不純物を含んでいるが、その医薬品を評価するにあたって不純物が有効性・安全性に影響しないことは当然の前提となる。
 

品質の恒常性を確保するために規格が設定

一方、医薬品の品質を確保し、その品質の恒常性を確保するために規格が設定されている。規格は、開発段階での十分な品質評価に基づく特性解析により設定され、品質が一定かつ高品質な医薬品を社会へ恒常的に供給するために欠くことの出来ない拠りどころとなる。

医薬品の承認申請では、品質に関して、製造方法、物理的化学的性質ならびに、規格および試験方法などに関する資料と、安定性に関する資料が必要とされる。具体的には、医薬品原料および製造工程の管理方法を含む製造方法、構造および理化学的特性(タンパク質医薬品などの生物薬品の場合には生物学的特性も含む)、規格および試験法(医薬品が一定の基準内の品質であることを確認するための試験セットおよび判定基準)、安定性(ある条件下で安定であることを確認して、規格および保存条件を設定)があげられる。
 

一定の品質の医薬品が恒常的に製造され供給されるために

医薬品を製造する製薬企業が異なれば製造方法も異なり、含まれる不純物にも差が出ると考えられる。
また、異なる製薬企業の製剤では溶出率や溶出速度が異なり、作用にも差が出てきうるし、さらに同一製薬企業であっても製造所の変更などで製造法が変われば、製造ロット間で有効性・安全性に差が出ることもありうる。また一度承認された医薬品は、作用・副作用に大きな影響を与える可能性がない限り、多少の製造方法の変更では非臨床・臨床試験を再度行うことがない。

これらのことから、一定の品質の医薬品が恒常的に製造され供給されるためには、その医薬品の製造方法および品質管理とその具体的な方法(製造原料・製造工程の管理、製品規格試験)が定められ、これにより恒常性が担保される必要がある。
見方を変えれば、医薬品においてその品質は、医薬品の有効性・安全性を含む恒常性の確保に必須であるとともに、それを担保していることになる。

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