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GCP制定の経緯・治験の信頼性の裏付け~ヘルシンキ宣言とGCP 5

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GCP制定の経緯

治験成績(データなど)は、その結果をもとに国による承認審査が行われ、製造販売が承認されればその医薬品は広く日本全体で使われることになる。
このため、治験では倫理面での対応はもちろん、治験が科学的な計画と方法で実施され、そこで得られたデータが確実に記録・収集され、申請資料に反映されることが求められる。

しかし過去を振り返ると、常にこの原則が守られてきたわけではないことがわかる。例えば1980年代前半には、治験データの捏造事件などが起こり、医薬品の製造販売承認が取り消される事態となっている。
これらの事情や当時の市場開放への対応にむけた動きなどを背景に、1985年頃には治験が医療施設で確実に行われるGCP作成の機運が生まれ、1989年10月に厚生省(当時)の薬務局長通知「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」の形で初めてのGCPが公表されている。

インフォームドコンセントの取得

そこでは、治験に関する契約の締結、記録の保管、被験者の人権保護のためのインフォームドコンセントの取得などが求められている。
しかし、例えばインフォームドコンセントの取得については口頭による説明でも可能とされるなど、課題を残すものであった。また法的な規制ではなくガイドラインとして適用されるなど、いわば黎明期のものといえる。

1991年の日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)の発足などが契機となり、改めて国際的に通用するGCP制定の動きがスタートした。
先の例でいえば、欧米の治験の状況や考え方が普及するについて文書によるインフォームドコンセントの考え方が普及し、1997年のGCP法制化によって被験者に対する文書による説明と治験参加への同意取得が原則となっている。

記録の作成と保管、確認機能が治験の信頼性の裏付け

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治験には契約の締結やIRBによる治験実施計画の審査など多くのステップが含まれるが、それぞれが適切かつ確実に行われたことが記録によっていつでも確認できる必要がある。すなわち、記録の作成と保管、確認機能が治験の信頼性の裏付けとなっている。
このため多くの書類作成が求められるが、近年の電子技術の発達と治験手続きの国際化への対応を進める必要性から、数次にわたる見直しが進められている。

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