HOME > すべての記事 > 代表的な液状製剤の種類と性質 > 液剤・エキス剤の定義と特徴〜代表的な液状製剤の種類と性質1

液剤・エキス剤の定義と特徴〜代表的な液状製剤の種類と性質1

2602view

製剤総則に収載されている剤形のなかで最も種類が多く、内用液剤または外用液剤およびそのどちらにも該当しない液剤に分類される。
使用の目的で分類すれば、内用、外用、またそれに加えて眼用(点眼剤)、注射用(注射剤)があげられる。

内用液剤は散剤や錠剤等、他の剤形に比べて消化管からの吸収がよく服用しやすいため、乳幼児、小児、嚥下能力の低下が見られる高齢の患者等に適用される。
しかし主薬や添加物が溶解あるいは懸濁されているため、主薬の分解、微生物の汚染等を受けやすい。

また光、温度による主薬含量変化などの点においても保存法等注意が必要である。
液状製剤の利点は、服用のしやすさ、作用発現の速さがあげられる。

一方欠点は、他の剤形と比較して配合による化学変化が起こりやすいため調整時における配合注意(配合しないで調整するのが望ましい)と配合不適(配合できない)が多く、混合による含量低下や沈殿の析出などがあるため注意が必要である(このような配合不可については添付文書、インタビューフォームなどが参考となる)。

また微生物による汚染を受けやすい点や携帯に不便な点も欠点にあげられる。

液剤

<定義>
日本薬局方製剤総則中の各条に収載されている液状の内用剤やまたは外用剤に該当しない製剤をいう。

<特徴>
消毒に用いられる溶液、含嗽剤、塗布剤、注入剤、清拭剤、浣腸剤、点鼻剤、点耳剤、吸入剤として用いられる。
製剤例として、ベンザルコニウム塩化物液、ベンゼトニウム塩化物液、クロルヘキシジングルコン液、クレゾール石けん液、消毒用フェノール水、マーキュロクロム液、グリセリンカリ液、サリチル酸液、ナファゾリン・クロルフェニラミン液、アドレナリン液などがある。

<製法>
有効成分をそのまま用いるか、または溶剤に溶解して用いる。
容器、貯蔵:本剤に用いる容器は、気密容器とする。
気密容器にはプラスチック製のものも含まれる。
プラスチック製はガラス製に比べてガス透過性が無視できず、保存中に中身が濃縮されることや、容器の変形を起こすことがあるので注意が必要である。

エキス剤

<定義>
生薬の浸出液を濃縮して製したもので、軟エキス剤と乾燥エキス剤の2種類がある。

<特徴>
軟エキス剤は水あめようの稠度を持つ半個体であり、乾燥エキス剤は砕くことができる固塊、粒状または粉末といった性状を持つ。
いずれも用いた生薬の臭味がある。
エキス剤は生薬成分を濃縮して、比較的均一な調剤に都合のよい形として保存することが目的ではあるが、軟エキス剤に関しては、保存中発酵、カビのおそれがあり、固化して調剤を困難にすることがある。

また稠度の基準を正確に定めることも難しいため品質にむらができやすいのが欠点である。

日本薬局方では、軟エキス剤として、カンゾウエキス、ベラドンナエキス、ロートエキス、乾燥エキス剤として、カンゾウ粗エキス、ホミカエキスなどが収載されている。

<製法>
生薬に適切な侵出剤を加え、一定時間冷浸(15〜25℃)、温浸(35〜45℃)またはチンキ剤のパーコレーション法(室温1〜30℃)に準じて侵出し、侵出液をろ過した後、適切な方法で濃縮または乾燥させる。

主成分含量の規定があるものは、その一部をとり、定量し、必要に応じて適切な賦形剤(液状ブドウ糖、マルツエキスなど)を加えて、規定含量に調節する。
侵出剤は、生薬の性質等を考慮して選択されなければならないが、通常はエタノールと水の混液を使用することが多いが、水、アセトン、エーテルなども使用される。

また酸、アルカリが加えられることもある。侵出剤中にエタノールが多いほど、糖類などの不要な成分の抽出が抑えられるが、溶媒組成により著しく抽出成分が異なることがあり、品質変動の原因となるため注意が必要である。

<試験法>
生薬から溶出した微量金属が濃縮されているため、重金属試験法に適合するものとする。
限度は鉛(Pb)として100 ppm以下とされる。
容器、貯蔵:気密容器を用いて、室温(1〜30℃)に保存する。

軟エキス剤は一般に水分を失って固化しやすく、乾燥エキス剤は吸湿のおそれがあるので注意する。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「代表的な液状製剤の種類と性質」カテゴリの関連記事