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小児向けの剤形について。スタートアップミーティング6~CRAという仕事

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小児向けの剤形について

小児領域では、小児向けの剤形がほとんど存在しないといった問題もあります。

一般的に、医薬品の開発は、まず成人に対する適応を目指し、承認取得後に小児に対する適応拡大を目指す流れであるため、適応拡大前に当該医薬品の使用が必要となった場合、成人用の医薬品の小児に使用するといった事態が発生してしまいます

また、小児への使用に適していない成人用の医薬品の剤形については、臨床の現場での対応が必要となります。

例えば、錠剤を粉砕して散剤にするなどの剤形変更は、日常的に実施されています。

大量に処方されるなどの理由により、あらかじめに剤型変更しておくといった予製も珍しくありません。

剤形変更

ただし剤形変更は、溶出特性の変化に伴う薬物動態の変化などが予測される上、臨床の現場でGMPを遵守することは不可能であるため、手間と時間が必要になることに加え、

  1. 光、湿気、酸素などによる成分の変化、
  2. 剤形変更時のロス、賦形剤との粒度の差などにより含有量のバラツキ、
  3. コーティングの消失などによる味・臭いの表面化

といった事項の発生も問題となっています。

さらに、剤形変更での対応が実施されると、製薬会社が小児用の医薬品を開発するメリットがなくなってしまうため、いつまでたっても小児向けの剤形が開発されない状況に陥ってしまいます

小児向けの剤形に係る問題を解決するための対策

なお、このような小児向けの剤形に係る問題を解決するための対策は、現在のところ明確になっていませんが、剤形変更の実態を調査し、ある程度の採算が見込める(一定量以上の剤形変更がされている)医薬品については、製薬会社への開発の働きかけ、医師主導治験の積極実施などが必要なのではないかと考えます。

加えて、このような状況に陥らないためには、小児にも使用される可能性が高い医薬品の開発に当たっては、成人と小児の適応を同時期に目指す流れにすることが重要と思われ、そのためには、製薬会社に対するさらなるインセンティブの設定、場合によっては、欧米や米国のように成人の治験中に小児臨床試験計画を提出させるなどの思い切った対策が必要なのかもしれません。

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