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保険外併用療養費。治験の費用2~CRAという仕事

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一般的な治験の契約書に含まれる項目事例(一部のみ)

  • 臨床試験研究経費:
    当該治験(治験実施計画書作成に関する研究を除く)に関連して必要となる類似薬品の研究、対象疾病の研究、施設間の研究協議、補充的な非臨床研究、講演、文書作成、関連学会の参加費(学会参加に係る旅費は旅費にて算出)、モニタリング(治験計画書の範囲内)に要する経費などの研究経費
  • 治験薬管理経費:
    治験薬の保存、管理に要する経費

保険外併用療養費

国内では、保険制度の取扱い上、健康保険では保険が適用されない療養を受けると、医療費の全額が自己負担となる前提がある。
いわゆる、保険診療と自由診療を併用する「混合診療」は原則認められていない。
ただし、治験に係る診療は、保険診療との混合診療が認められている「保険外併用療養費」として保険診療に準じた保険給付の対象とされている

通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われ、その部分については一部負担金を支払うこととなり、残りの額は保険外併用療養費として医療保険から給付が行われる制度である。
つまり、被験者の負担は、基礎的な診療部分に対する保険給付によって軽減された自己負担額のみであって、それ以外は依頼者(企業)が負担することになる。

なお、依頼者の負担は、治験対象の試験における治験期間(治験薬の投与開始から終了日まで)で観察期用プラセボなどを服薬する場合はこれを含むことになっている。
その対象期間中、依頼者(企業)は治験期間の全ての検査・画像診断費用および治験薬の予定される効能・効果と同様の効能・効果を有する医薬品の投薬、注射の費用を負担することになる。

臨床試験研究経費ポイント算出表

治験には、さまざまな職種の人々が複雑に関与することになりますが、実施に先立って費用を算定しなければなりません。

現在の主流は、臨床試験研究経費ポイント算出表(ポイント表)を用いた方法です。
概要としては、ポイント表に設定された各項目(対象疾患の重症度、入院・外来の別、治験薬製造承認の状況、デザインなど)で当該治験が該当するものを選択し、得られた各項目のポイントの合計が当該治験のポイントとなり、このポイントに一定金額を掛け合わせることで当該治験の費用を算定するといったものです
最終的には、得られた金額に保険外併用療養費支給対象外費用、被験者負担軽減費、資材購入に係る実費などを合算したものが実施医療機関に支払われます。

ポイント表は、「国立大学附属病院における医薬品等の臨床研究の受託について(通知)」(平成9年2月6日付文高医第52号)を受けて作成されたもので、国立大学附属病院が使用して以降、私立大学付属病院や国立病院においても類似したものが使用され、その後多くの医療機関で独自にカスタマイズされたものが使用されています。

ポイント表を用いることで、速やかな算定が可能となったことに加え、一定の算出根拠をあらかじめ提示しておくことにより、契約作業も円滑になりました

なお、治験の空洞化を経て、治験の活性化・効率化を図る昨今の流れのなかで、ポイント表を用いた算定の組み入れ被験者数の反映度、設定項目のバラツキ、間接経費の計上方法などが問題視され、ポイント表の見直しや業績積み上げ方式による算定の検討・提案が行われており、今後は新たな算定方法が主流になっていくかもしれません。

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