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患者の同意を得るために~CRAという仕事

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患者の同意を得るために

低Na血症の患者に食塩を服用してもらい、血清Na濃度が上がること確認するために、患者本人の同意を得なくてはならない。
モニターは直接同意を得ることに携わることはない。
この同意を得る作業は医師の役割となる。

しかし、同意を得るために「患者がやらなくてはならないこと」を決めていく段階でモニターが関与する

例えば、以下の1と2の方法では、どちらが患者の同意を得やすいだろうか。
さらには同意を得る作業を担う医師はどちらが望ましいと考えるだろうか。

1. 食塩の服用の1週間前より、毎朝6時に採血して、血清中のNa濃度を測定する。
服用後は1時間おきに12回採血する。
1回の採血では5mlとする。

2. 食塩の服用の1週間前、服用1時間前および服用2時間後に採血して、血清中のNa濃度を測定する。
1回の採血量は2mlとする。

1の方法はできるだけ情報を収集するという意味がある。

一方、2の方法では患者に対する負担を減らし、必要な時期にのみ採血している(事前の情報が活かされている)。

実際に採血する医師や看護師の立場では、2の方が望ましいであろう。

モニターの業務

モニターは試験計画書を立案するのは主業務ではないことが多い。
基本的には、計画書の立案には携わらずに、立案された計画書が適切に行われているかを監視する役割を担っている。

2の方法で試験計画書が実施された場合、合計で3回の採血が実施されたかを確認するのがモニターの仕事である。

ただし、単純に回数が3回であれば確認できたことにはならない。
食塩の服用の日時を把握し、その3回の採血が適切なタイミングで行われたかを確認しなければならない。

実に簡単な確認作業と思われるかもしれない。

しかし、「科学的」に確認することを常に心がけることが重要である

この場合、低Na血症患者の「誰が」、「いつ」、「どこで」、「どのくらいの量を」、「どうやって」飲んだかを医師に記録を残してもらう、その記録をもとに、服用1週間前と2時間後の採血を確認する。

確認できたら、血清中のNa濃度の値が評価に値する事が確認される。
もちろん、その前に、採血量が2mlであったことも確認する必要がある。
1mlしか採血しなかったため測定結果がきちんと出ない場合もある。

また、この場合は血清Na濃度の確認に溶血の影響は少ないが、血清K濃度の場合には、溶血の有無にも注意を払う必要がある。
このように、モニターによって一つひとつのデータが確認されることで、初めてデータが採用され、統計解析が行われるわけである。

データが活かされるかはモニターの腕次第

患者の貴重なデータが活かされるのも殺されるのも、モニターの腕次第といえる。

どんなに素晴らしい計画書であったとしても、その計画書が適切に実施されたことを監視(確認)するモニターがいなくては、本当に実施されたといえないのである。

これまでに述べたモニターを作業や役割はGCPとして定められている。

GCPでは、治験を実施する医療機関、人の役割や業務を詳細に決めており、試験を実施する場合は、それを守る必要がある

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