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治験依頼者が臨床情報を得る唯一の手段 – GCPに則った治験の進め方4

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逸脱を発見した場合

モニターは上述のようなモニタリングを繰り返し遂行することで、治験実施計画書を遵守した症例を集積することができる。もし、治験実施計画書からの逸脱を発見した場合には、治験責任(分担)医師に逸脱記録を作成してもらい、治験依頼者と医療機関の長に提出するように要請しなければならない。ちなみに、これらのモニタリング内容をモニタリング報告書に記載し、治験依頼者にタイムリーに提出しなければならないことはいうまでもない。
 

治験依頼者が臨床情報を得る唯一の手段

もう一つ、忘れてはならないモニターの責務として、上述のモニタリングを通じて、治験薬を投与された患者の声(治験薬の反応)を症例ごとに、治験責任(分担)医師やCRCから聴取して検討することを通じ、治験薬の有効性・安全性に関するプロファイルを明確にしていくことである。
この治験薬を投与された患者の声(治験薬の反応)という情報は、モニターからしか得られない貴重な臨床データである。また、治験依頼者は、モニタリング業務を通じて、治験薬の安全性を継続的に評価する責任を有しており、モニターは特に安全性に関する情報の収集には、万全を期さなければならない。
治験依頼者は、治験薬の臨床情報をこのモニタリング情報を通じてのみしか得られないのである。この点においても、モニターの担う役割は極めて重要である。
 

記録は保存しなければならない

治験依頼者、実施医療機関、治験審査委員会は、GCPに規定されている治験に関する記録(文書およびデータを含む)を、治験薬が製造販売の承認を受ける日または治験の中止あるいは治験終了の後3年を経過した日のうち、いずれか遅い日までの期間、適切に保存しなければならない。これらの記録は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、総合機構)による適合性調査(書面調査および実地調査)の資料となるので、紛失等が発生しないように適切に保管管理されなければならない。
 

治験が適切かどうか監査される

監査は、治験の品質保証のために行われるものであり、治験がGCP、治験実施計画書およびモニタリング手順書を遵守して行われたかどうかを評価することである。言い換えれば、モニターが集積した臨床データは質的に問題がなく、治験薬の有効性・安全性の評価に用いてもよかどうかを検証することである。したがって、前述のように治験の質の確保はモニター業務に大きく依存していることになる。
最近では、治験がGCP不遵守で実施された事例はほとんどないが、実施計画書からの逸脱は散見されるのが実態である。その逸脱を未然に防ぐためには、モニターと治験責任(分担)医師やCRCの協力体制が不可欠であり、お互いの連絡を密にし、コミュニケーションを取りながら治験を実施していくことが重要と考える。
また、監査担当者から指摘を受けた事項に関しては、次の業務に生かすとともに、それらの事項をモニター間で共有(ナレッジシェア)することが、治験の質を確保するうえで重要である。

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