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業務手順書・概要書の作成 – 治験の実際4

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治験が計画書に沿って行われるよう全力を傾注

治験薬の投与量は前相の成績から設定した臨床推奨用量(通常用量)とし、対象薬群の用量も通常用量とする。なお、対照薬群の用量として、通常最高用量を選定する場合もある。
有効性を確認するパラメータは、これまでの試験から得られたパラメータのうち、治験薬に鋭敏に反応したものを選定しなければならない。そしてそれらを十分に吟味のうえ、主解析項目(エンドポイント)を設定し、治験実施計画書に明示しなければならない。
本試験の命題は、このエンドポイントにおいて、対照薬群に比べて劣っていないことを統計的に証明することにある。そのため、治験実施計画書は綿密に作成しなければならない。また、治験施設担当モニターは、治験責任(担当)医師やCRCに試験を実施計画書どおりに遂行してもらうことに全力を傾注しなければならない。
このようにして得られた成績から、対照薬に対する非劣性あるいは優越性が検証され、安全性の面でも問題となるような事象がなければ、本治験薬の臨床的位置づけを明確にしたうえで、臨床試験成績とともに厚生労働省への製造販売承認申請の資料とすることが可能となる。
 

治験の流れに沿ってGCPのルールを再確認しよう

これまで述べてきた各治験のステップを遂行するにあたり、GCPの面から特に重要と思われる事項について解説しておく。なお、以下の各項目は、原則的に第Ⅰ相試験から第Ⅲ相試験までの各試験に共有である。
 

最初に行うのは業務手順書の作成

まず、治験を実施するためには、治験薬概要書・治験実施計画書の作成、実施医療機関および治験責任医師の選定、治験薬の管理、副作用情報等の収集、記録の保存、等、治験の依頼および管理に係る業務に関する手順書を作成する。
 

治験薬がどんなものかわかるように概要書を作成

治験薬の物理的、化学的および製剤学的性質、前相までの試験成績(第Ⅰ相試験の場合は、非臨床試験で得られた成績)等を、客観的かつ簡潔明瞭に記載した治験薬概要書を作成する。
また、新たな情報が得られた場合には、業務手順書にしたがって治験薬概要書を改訂する。なお、業務手順書に従って、少なくとも年に1回は治験薬概要書を見直し、必要に怖じて改訂する。
 

治験実施計画書(プロトコル)と症例報告書(見本)を作成する

治験実施計画書は、ヒト(被験者)において確認すべき治験薬のプロファイルを明確にするための根幹となる。治験薬の性質、これまでに得られた試験成績をよく吟味して、確認すべき治験薬の目標(ハードル)が明確となるような治験方法を設計しなければならない。
治験実施計画書と同時に作成する症例報告書(CRF:Case Report Form)の見本は、治験責任(分担)医師に正確かつ完全なデータを記載してもらうために、記載しやすく判断に迷わないような設計をしなければならない。加えて、CRFのデータをコンピュータに入力し、データをマネジメント(DM:Data Management)する人にも入力しやすく、判断に迷うことがないようにしなければならない。DM担当者がCRFを設計することにより、この点が防ぐことができる。また事前に、治験責任(分担)医師にCRFの変更・修正の手引を提供しなければならないが、その手引はCRFの変更・修正の範囲だけでなく、CRF全体に関する記載方法を盛り込んだほうがよい。

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