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前期第Ⅱ相試験・治験薬の投与量 – 治験の実際1

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少数の患者で試験して「POC」を確認:第Ⅱ相試験

 

開発のコンセプトを立証するために行う前期第Ⅱ相試験

第Ⅱ相試験は、まず少数の患者と対象とする前期第Ⅱ相試験(Early PhaseⅡ StudyあるいはPhase Ⅱa Study)から開始する。この試験は「瀬踏み試験」ともよばれる。
前期第Ⅱ相試験は、初めて患者に治験薬を投与し、その有効性と安全性を探索的に確認する試験である。対象となる患者数は比較的少数であるが、この試験はPOC(Proof of Concept:コンセプトの立証)試験と位置づけられている。つまりここで得られた有効性と安全性の成績が、この治験薬を世に出すか出さないかを大きく左右することになる。したがって理想かつ科学的に、慎重に試験を行わなければならない。
治験対象は、治験薬の有効性と安全性を適切に評価できる状態の患者を選定しなければならない。そこで対象患者は通常、制限を設ける必要がある。この条件のことを、治験実施計画書(プロトコル)では、選択基準および除外基準という。このような制限を設ける理由は、倫理的な配慮と治験薬の有効性、安全性の評価を妨げる因子を除くことになる。当然のことながら、この制限の倫理的な規定は各治験薬にほぼ共通であるが、それ以外の規定は治験薬ごとにそのプロファイルに基づき決定される。
 

投与量と投与方法

治験薬の投与量については、第Ⅰ相試験成績から得られた推定通常用量を中心としたその上の複数用量が設定される。対象患者にどの用量を投与するかについては、第三者が投与量を割付ける方法(治験薬自体がすでに無作為に割付けられてある方法か、第三者が投与量を無作為に指定する方法の2つの方法がある)と、治験責任(分担)医師が自ら投与量を決める方法とがある。前者の方法は、投与する際に医師の判断が生じないので、対象患者は各用量群にほぼ均等に割り振られる。後者の場合は、対象患者の状態に応じて医師が用量を選択(さじ加減)できるので、用量群に偏りがみられる場合が多い。どちらかの方法をとるかは、治験実施計画書に明示しなければならないが、前者の方法を採る治験が主流である。なお、投与日数については、治験薬の種類や対象患者により異なる。
 

有効性評価のパラメータ設定と確認

治験薬の有効性を確認する種々のパラメータは、当然ながら対象疾患ごとに異なる。したがって、疾患ごとにパラメータを適切に設定しなければならない。そして、これらのパラメータを確認・検査する時期は、投与前、投与中(投与期間が長い場合は複数回となる)、投与後(投与終了直後と一定期間後)の最低3時点は必要である。
治験薬の投与により、疾患の諸症状や諸検査値が投与前の状態からどのように(スピードと質)改善していったかを、1例ずつ症例ごとに確認しなければならない。言い換えれば、治験施設担当モニターは治験薬を投与された患者の声(反応)をCRF(Case Report Form:症例報告書)からくみ取らなければならない。治験責任(分担)医師およびCRC(Clinical Research Coordinator)からの聞き取り調査やディスカッションも患者の声(反応)をより正確に把握する重要な方法である。個々の症例から得られた有効性のパラメータを集計・解析し、治験薬の有効性を吟味する。

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